幼犬(0歳~1歳)、成犬(1歳~6歳)、高齢犬(6歳~)というライフステージに応じて、どのような食事ケアが必要になるのかということは、飼い主はしっかりと認識しておく必要があるでしょう。
こちらでは、1~6歳の成犬の食事の知識についてご紹介します。
●成犬用フードへの切り替え
成犬は、体の基礎をつくるための栄養が取れる食事が必要だった幼犬の時期が終わり、成犬になると、幼犬よりも体重あたりに必要なエネルギー量が少なくなります。
また、犬種、体のサイズ、生活環境などに影響された愛犬の体質的特徴が表れてくるのもこの成犬期です。
この時期には、幼犬時の食事を見直し、愛犬に適したバランスのよく取れた食事を与えることで、肥満にならないよう注意しましょう。
実際、肥満と判定される成犬は全成犬の4分の1を上回ると言われています。
肥満になると、骨や関節や臓器に過度の圧力が掛かって生活の質を低下させる可能性があるのです。
子犬:急速な成長を補うための高いエネルギー量と、免疫力・消化吸収力のサポートが必要
成犬:ある程度成長が落ち着き、高いエネルギーだと肥満になるの恐れ、犬種や体の大きさなどによって個体差あり
成犬期に入った愛犬の食事を切り替える際は、子犬用フードに少しずつ成犬用フードを混ぜるとよいでしょう。
1週間ほどかけながら成犬用フードの割合を増やしていくと、お腹を下したり吐いたりすることなく、スムーズに切り替えられます。
●愛犬に適した「バランスの取れた」食事とは
成犬には、一般的なフードを1日1~2回与えてください。
また、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。
フードは「総合栄養食」と呼ばれるものが一般的です。
「総合栄養食」は「新鮮な水と一緒に与えるだけで、それぞれの成長段階における健康を維持することができるように、理想的な栄養素がバランスよく調製されたもの」とペットフード公正取引協議会によって定義されています。
とは言え、犬種や年齢、体格によって必要な栄養には差があります。
異変が見受けられたらアドバイスを受けたり、普段の食事を脂質や糖質の少ないものに変えてあげたりなど、食事内容の見直しを図る必要があります。
また、肥満犬については、カロリーが少なく食物繊維を多く含んだ肥満犬用ドッグフードを与えるようにしましょう。
あなたの愛犬に最適な栄養を、どのような方法で与えるのが最善か分からない場合は、獣医師やブリーダーに相談してアドバイスを受けてみましょう。
●犬に与えてはいけない食べ物
犬と暮らしていると、人間の食べ物を与えてみたり、テーブルの上にあった食べ物を勝手に食べられてしまうなどということも十分に考えられます。
しかし、人間の食べ物が犬にとって必ずしも安全というわけではありません。
中には愛犬が「中毒」になってしまいかねない有害な食べ物があります。
・玉ねぎ・長ネギ・ニンニクなどのネギ類
・アボカド
・ぎんなん
・ぶどう糖
・プルーン
・生タコ、生イカ、エビやカニなどの甲殻類
・ナッツ類、マカダミアナッツ
・チョコレート
・キシリトール
以上の食べ物は、けいれん、嘔吐、下痢、ビタミン欠乏症、不整脈、内臓出血、心臓発作などを引き起こし犬の健康を害するものです。
愛犬と一緒に生活するにあたって、飼い主ご自身の生活環境を見直す必要があります。
食べ物は出しっぱなしにせず、きちんと片付けて愛犬の健康を守りましょう。