およそ1年でオトナになる子犬。
子犬の体重は、たった生後10日で約2倍になります。
生後1カ月で成犬の約10分の1、生後2カ月では成犬の約5分の1と、犬の種類によって個体差はあるものの、子犬は私たち人間よりも急速に成長します。
そのため子犬期には、たんぱく質などの栄養素が成犬の2~3倍必要とされており、愛犬の体の発達を支える食事への気配りは欠かせません。
今回は、子犬が成犬になるまでの食事の知識について、ご紹介いたします。
●生後1年までの食事
生後24時間以内に飲む母犬の初乳からは、子犬を感染症から守るための抗体をたくさん受け取ることができます。
生後4週間までの子犬は、必要な栄養を母乳で完全に満たすことができます。
もし、生まれて4週以内の子犬を飼うことになったら場合には、犬用ミルクで栄養を補いましょう。
生後4週間を経過したら、離乳食や子犬用ドッグフードなど、ミルク以外の食事に少しずつ慣れさせていきましょう。
●離乳食、ドッグフードへの切り替え
子犬に与えるドッグフード選びのポイント
・タンパク質が豊富に含まれる
・消化に優れている
・子犬の好みに合っている
上記のポイントを参考に、あなたの子犬にあった食事を意識しましょう。
生後間もない子犬に与える食事の一例として、「ふやかしドッグフード」が一般的に知られています。
「ふやかしドッグフード」には、
・幼犬期の愛犬の内臓への負担を軽減できる
・水分も一緒に摂れる
・食欲増進に繋がる
といった効果が期待できます。
ふやかしドッグフードの調理方法は、40度ほどのお湯にドッグフードを浸し、ラップをして15分ほど蒸すだけなので、それほど難しくはありません。
また、授乳時に歯が当たって痛みが出るようになるのはこの頃で、母犬は歯が当たる痛みから徐々に子犬の授乳を拒むようになります。
とはいえ未熟な子犬の消化器官では、いきなり親犬と同じものを食べたり、食事を上手く消化吸収することはまだできません。
そのため、犬の祖先であるオオカミをはじめ、野生の肉食動物のほとんどは自分の食べたものを吐き戻し、ふやかした状態にして子犬に与えます。
なお、子犬にドッグフードをふやかして食べさせるのは「生後3ヶ月まで」を目安にしてください。
犬種によって多少個体差がありますが、一般的に子犬の歯は生後1~2ヶ月ほど経つと生え始め、生後3ヶ月ほどで乳歯が生え揃うからです。
そのタイミングでふやかしフードから通常のドッグフードへ徐々に移行させていきましょう。
ペットショップなどで子犬を購入した場合は、そのショップのブリーダーに、どんな食事を与えていたか聞いて、最初は子犬の好みの食事を用意してあげたほうがよいでしょう。
住む環境や食事の種類を一度に大きく切り替えてしまうと、食事をとらなくなってしまう恐れがあるからです。
環境が変わっただけでも、生まれたての小さな子犬にはストレスですので、健康への影響を最小限にとどめる飼い主の配慮が求められます。
●子犬に与える餌の量・回数の目安は?
子犬の消化器官の発達には時間がかかります。そのため、一度にたくさんの量を食べると消化不良に陥る危険性があるので、成犬よりも1日に与える回数を増やし、一回の食事の摂取量を調整する必要があります。
また、子犬は低血糖になりやすいので、栄養素が不足しないように気を付けなければなりません。
あくまでも目安ですが、生後2カ月頃は1日4~6回、3~5カ月齢は1日3回に分けて食事をさせると良いでしょう。